健康笑百科 Vol.58(2012.9.26)





【目黒のさんまとカボス】


この暑さは いつまで続くのかと思いながら 蝉の声から虫の音に変わってきますと、だんだん朝夕がめっきり涼しくなり、 田んぼでは 彼岸花が咲きつつあり、いよいよ本格的な秋がやって来ました。自然って正直ですね。食欲の秋、読書の秋、 スポーツの秋、様々な秋がありますが、一番好きなのは 味覚の秋 実りの秋 食欲の秋ですね。市場を覗いてみますと、 山の幸のくりや松茸もいいですが、海の幸のさんまが、庶民の味として一番好まれているようですね。 サンマと言えば、明石家さんまさんではなくて、自称落語愛好家の私は落語の「目黒のさんま」を思い浮かべますね。


目黒のさんま(落語):

お殿様が 秋の野駆けに中目黒へ出かけた。 その時 庶民が焼くさんまのいい匂いがするので、食してみるとこれまた絶品であった。 ある日お城で何かお好みの料理をと言われ、「さんまが食べたい」と言うと 家来たちは、一番上等のさんまを購入し、 蒸してすっかり脂肪をおとしたのを出した。

お殿様:「これはなんじゃ」
家来:「さんまでござります」
お殿様「いずれから取り寄せた?」
家来「日本橋の魚河岸にござります」
お殿様:「それはいかん。さんまは目黒に限る」


秋のさんまは脂肪分が多く美味であるのが特徴です。その脂には、血液の流れを良くするといわれるエイコサペンタエン酸が 含まれており、脳梗塞・心筋梗塞などの病気を予防する効果があります。また、ドコサヘキサエン酸も豊富に含まれており、 体内の悪玉コレステロール(LDL)を減らす作用、脳細胞を活発化させ、頭の回転を良くする効果もあるとされている。 そんな美味の栄養価の高い脂をすべてとって調理する大名と庶民との生活ずれをよく表している落語です。


また、さんまには 秋の柑橘酢のカボスが付き物です。カボスは、クエン酸とビタミンCがたっぷりの果汁とさわやかな香りが 自慢の逸品です。香酸柑橘類の中でも酸味が強すぎないので食材の味を酸味で消すことがなく、またミネラル由来の塩味・苦味・ 甘味が相対的に高いため、焼き魚の味わいを引き立たせるような料理に使うことにより、素材の味わいとの調和が活かされると 考えられます。

・夏バテの疲労回復効果:酸味の強い食品には有機酸が多く含まれていて、疲労の根元となる物質の分解を促進し、消化器官を刺激し食欲を増進する。

・減塩効果:ミネラル分としての塩味がしっかりとしていることから、食材に塩を添加する代わりにカボスを添加することにより期待される。

・二日酔い効果:アルコールの消化吸収速度を緩和させるので、酒酔いを遅らせ、また血中エタノール濃度のピーク値を下げる事ができます。


以上様々な効果があります。 旬の物を瞬に食べる、昔の人の良き知恵には感心させられますね。



【なぞかけ コーナー】


さんま とかけて

一部の政治家 ととく

そのこころは

どちらも 煙にまきます
(政治家さん、しっかりして欲しいですね)



川柳:酢果汁で かぼすとすだち 秋競う   



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